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2012年4月23日月曜日

低レベルの“劣化ウラン”も検出できる精微な方法「生体試料分析法」


「この法律で、劣化ウラン被曝に関する精密検査を受ける権利を、全ての帰還兵に与えます。低レベルの劣化ウランでも検出できる精微な方法として生体試料分析法を採用し、天然に見出されるウラニウムのレベルとその特定比そして劣化ウランを指標として放射性同位体の違いを識別することができる装置を使って検査を行うことになります。この検査によって、兵隊が被曝しているかどうかが明らかになるでしょう。それで誤診を防ぎ、ありがちな誤投薬で兵隊の病気が更に悪化することも無くなるでしょう。」



☆劣化ウラン:出征兵と帰還兵を護るために行動を起こすルイジアナ州(2005年8月28日。反戦翻訳団−Antiwar Translation Brigade)

http://blog.livedoor.jp/awtbrigade/archives/50038878.html


先日ルイジアナ州では、全ての帰還兵に対して劣化ウラン被爆に関する精密な集団検診を受ける権利を認める法案が承認された。今回の法案通過に献身した活動家の一人であるBob Smithへの取材を以下にご報告しよう。彼はLouisiana Activist Networkに参加している。そしてVeterans for PeaceとViet Nam Veterans Against the Warの会員でもある。テキサス州の海軍一家に生まれ、三人の兄弟と共に育った。彼はベトナムから帰還した数年後、1977年にルイジアナ州に引っ越してきた。青年たちと共に精神病院で働き、そこで妻となる女性に出会う。彼女は職場の同僚であった。そして彼は再び軍に戻り、八年前に部隊最先任上級曹長で除隊した。議会が憲法に反してイラク開戦権限を大統領に譲り渡した日を前後して、彼はより積極的に参加するようになり、そしてそれ以来、長老派教会と共に平和運動に取り組んでいる。

Zeeze:ルイジアナ州に劣化運ラン関連法を採択させようと云う動機は何だったのでしょう?

Smith:20年軍役に就いた退役兵として、私はベトナムから帰還して以来ずっと退役兵たちの健康問題に関心を払って来ました。軍務を終えた兵隊たちに対して国家が極めて不十分な対応しかしてくれないことを、先ず私の経験から知っています。第一次湾岸戦争以降、毎年のように不可思議な病気と診断される帰還兵が続出しております。詰まり、それが湾岸戦争症候群( Gulf War Syndrome ;GWS )ですが、その原因やエージェント・オレンジ汚染によく似た影響を考察する重要研究は為されておりません。

ここニューオーリンズに在る退役軍人省ベトナム帰還兵開放センターや帰還兵センターにて派遣相談員をしていた八十年代、政府がエージェント・オレンジ汚染にどのように対処していたかを見てきました。25年間に渡って政府から研究を請け負ってきたランド社は、退役軍人とその子供たちに発症している健康上の問題とエージェント・オレンジとの因果関係を否定しておりました。今週やっと、退役軍人省はエージェント・オレンジと糖尿病に繋がりがあることを認めた位です。ベトナムからの撤退が完了したのは三十年以上も前なんですよ?今、劣化ウラン汚染と健康との因果関係を否定しているのが、その同じランド社であると云うことは言っておいた方が良いでしょうね。

昨年末に膨大な書籍を読んで劣化ウランに関する理解を深めました。1月にLuisiana Activist Networkが企画した、ニューオーリンズで――民主主義をジャズで弔う――平和デモの場で或る若い第一次湾岸戦争帰還兵に出会いました。Dennis Kyne氏です。彼が語って呉れたのが、現地に居る時分から兵隊たちが既に発症していることに衛生兵として先ず最初に気が付いたと云うこと、そして彼が劣化ウランの知識を身に付けたのは帰還して来てからと云うことでした。私は更に調査と研究を重ねました。3月には地球科学者のLeuren Moret氏と知り合いました。彼は、Dennis Kyne氏が私に語って呉れたことや私が書籍に読んだことと、全く同じ主張をしておりました。それから私は調査と研究を続け、Doug Rokke氏とお会いしたりもしました。彼は、第一次湾岸戦争後の汚染除去担当の統括責任者でしたので、劣化ウランの専門家です。彼の部署にいた人員の三割から四割が既に死亡しております。

この問題を大衆的に討議して貰うためにはどのようにすれば良いのか、と云うことを次第に考えるようになりました。Leuren氏がコネチカット州に居る若い女性を教えて呉れました。Melissa Sterryさんです。彼女もこの件で行動を起こしておられていたのです。コネチカット州の共和党Patricia Dillon議員と共に、州内の帰還兵全員を診察させるための法案を通過させようとしている方です。いつも献身的なMelissaさんは、コネチカット州の法案写しを分けて下さいました。彼女は第一次湾岸戦争後の劣化ウラン汚染除去班の一員でした。彼女自身も酷く健康を損ねており、彼女の居た班の仲間も八人のうち六人が帰還してから亡くなっております。しかもみんな三十五歳にもならない内にです。

ルイジアナ州で知己の共和党JAlia Jefferson-Bullock議員に連絡する前に、コネチカット州の法案を土台にして名前をルイジアナ州に変更した上で幾つかの微修正を行いました。私たちが打ち合わせを終えた時には、提出期限まで既に24時間を切っておりました。共和党Juan LaFonta議員が法案提出者となり、共和党Jefferson-Bullock議員が共同提出者となりました。締め切りには間に合いました。

Zeese:法案の目的とは何でしょう?

Smith:この法律で、劣化ウラン被曝に関する精密検査を受ける権利を、全ての帰還兵に与えます。低レベルの劣化ウランでも検出できる精微な方法として生体試料分析法を採用し、天然に見出されるウラニウムのレベルとその特定比そして劣化ウランを指標として放射性同位体の違いを識別することができる装置を使って検査を行うことになります。

この検査によって、兵隊が被曝しているかどうかが明らかになるでしょう。それで誤診を防ぎ、ありがちな誤投薬で兵隊の病気が更に悪化することも無くなるでしょう。そして被爆した兵士たちには、自分の子供は先天性疾患や欠損を伴って生まれてくる可能性が高いことについて、覚悟を決めて貰うことが出来ます。

またこの法律の定めるところにより、今まで陸軍の規定により為されてきた講習会と演習の方法論は、ルイジアナ司法長官が州議会に提出することになります。

Zeese:ルイジアナ州に続こうとする他州の活動家たちに何か助言はありますか?

Smith:自信を持つことです。劣化ウラン検診の目的は、放射性廃棄物から創り出された非常に恐ろしい物質によって汚染されているかどうかを発見することです。兵隊への本当の支援とは、こういうことです。貴方の地区選出代議士たちに、時にはそれを思い起こさせて下さい。専門家たちやこの種の法律を成立させた人たちと一緒に学習会・議論を行って下さい。また覚えておいて下さい、兵器製造業者は斯様なことが公になることを嫌がります。この死の物質のお陰で、企業は大金を得ています。そして軍隊もまた、これら非常に有効な攻撃兵器を手放そうとはしません。私たちの兵隊や市民・敵の兵隊そして自然環境にどれ程の影響があろうともです。上述の二つの潜在的対抗勢力、即ち兵器製造業者或いは軍隊からの反撃には遭いませんでしたが、それらにしても専門家にあたる準備をしているはずです。帰還兵たちの証言を得ていることが、私たちの支えです。Baton Rouge出身の退役兵Ward
Reily氏も、委員会で法案を通過させる為に助力して下さいました。

Zeese:この法案を巡って直面した困難とその克服方法をお教え頂けますか?

Smith:本当に大変だったのは、代議士への教育だけです。彼女に知識を持って貰わなければならないのに時間の猶予がありませんでした。しかし幸いなことに、彼女は最低限一時間の学習会を受けて呉れました。代議士は二人とも友軍の兵隊に非常に気を遣っておられて、帰還兵の為にも助力を惜しまない方たちだったのです。他には何も障害はありませんでした。

Zeeze:貴方のこれからの動きは?

Smith:大衆を教育するために、喫茶店や公開催事の場で学習会を開催して来ました。文書を配布したり、講演会を開催したり、インターネット上で文書を公開したり、記録映像を上映したり、様々な方法を使ってです。また、他州の支援者たちとも情報や情報網を共有して連絡を取り合っており、役に立つ秘訣を提供しています。若しそれで上手くいかないようなら、屋根のてっぺんで真実を叫んでやりますよ。

原注:私( Bob Smith )は陸軍と州軍に20年間服務した後、部隊最先任上級曹長で除隊しました。特殊部隊グリーン・ベレーの隊員として三度ベトナムに出征し、「砂漠の嵐作戦」にも従軍しました。社会学そして機械工学の学位を取得しております。現在は、結婚して26年になる妻Julieそして愛犬Maggieと一緒に暮らしていて、ニューオーリンズで技師として働いております。Veteran for PeaceそしてViet
Nam Veterans Against the War更にLouisiana Activist Networkの会員でもあります。

Kevin ZeezeはDemocracy Risingの代表です。

劣化ウランに関して更に詳しく知りたい方は、GNNの書籍【True Lies】を参照下さい。著者のLappe とMarshallは、放射線実験を指揮するためにイラクに赴いています。

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